
日経平均の急伸と持ち株の動きは別です
10月1日の日本株は、日経平均が大幅に上昇する一方、持ち株によって明暗が分かれました。日経平均は前日比+3.30%、TOPIX連動ETFは+0.67%。ともに上昇しましたが、上げ幅には大きな差があります。
大引け後の日本株の見通しを考えるうえでは、日経平均の強さが、より幅広い銘柄にも及ぶかが焦点です。今回の数字だけで、日本株全体が同じ勢いで上昇したとはいえません。
日経平均は6万8956円、上昇率に差
日経平均の終値は6万8956.72円で、前日比2203.00円高でした。比較するETFと個別株の終値は次の通りです。
| 指標・銘柄 | 終値・取得値 | 前日比 | 前日比騰落率 |
|---|---|---|---|
| 日経平均 | 68,956.72円 | +2,203.00円 | +3.30% |
| TOPIX連動ETF | 434.40円 | +2.90円 | +0.67% |
| 日経225連動ETF | 71,810円 | +2,190円 | +3.15% |
| トヨタ | 2,925円 | +5円 | +0.17% |
| 三菱UFJ | 3,586円 | -114円 | -3.08% |
| 三菱商事 | 4,722円 | -47円 | -0.99% |
| ドル円 | 158.30円 | +0.899円 | +0.57% |
ドル円は16時20分時点の取得値で、株式の終値とは時刻が異なります。また、TOPIX連動ETFはTOPIX指数そのものではありません。ここでは、幅広い日本株の動きを見る補助指標として使っています。
持ち株は個別の終値で確かめます
持ち株への影響は、日経平均の上昇率だけではつかめません。トヨタは小幅高にとどまり、三菱UFJと三菱商事は下落しました。この3銘柄を保有している場合、日経平均の大幅高と資産全体の値動きが一致するとは限らないでしょう。
日経平均だけで足りない理由は、TOPIX連動ETFとの上昇率の差に加え、確認できる個別株にも方向の違いがあるためです。ただし、値上がり銘柄数や指数への寄与度は示されておらず、物色が値がさ株だけに集中したとまでは判断できません。
円安は確認できても、急伸の理由は未確認です
材料面で確認できるのは、ドル円が前回の日次終値157.404円から158.303円へ上昇し、円安方向に動いたことです。一方、トヨタの上昇率は0.17%にとどまりました。円安と日経平均の急伸を結び付け、上昇の主因だったと断定する根拠はありません。
米国市場では、9月30日のナスダックが前日比0.24%上昇しています。日本株とは取引日が異なる数字であり、これだけで10月1日の上げ幅を説明することもできません。
今回の資料には、日経平均の急伸を説明できる個別ニュースや当日の売買主体別データはありません。値動きと原因は分けて読む必要があります。
次はTOPIX連動ETFと持ち株の騰落率
次の取引では、日経平均とTOPIX連動ETFの騰落率をまず比べます。日経平均の上昇が続く場合でも、TOPIX連動ETFがどの程度ついていくかで、幅広い銘柄の地合いを見直せます。
続いて、持ち株の騰落率を同じ取引日の数字で照らし合わせてください。今回なら、トヨタ、三菱UFJ、三菱商事が、指数との差を埋めるかが確認点です。
ドル円は今回の158.30円を基準に、次の取引時間に円安方向が続くか、円高方向へ戻るかを見ます。ナスダックも次の米国市場の結果を確認し、日本株の終値と混同せずに比較する順番です。
幅広い銘柄が伴えば評価を変えます
TOPIX連動ETFの上昇率が日経平均に近づき、今回下落した個別株にも上昇が見られるなら、幅広い銘柄にも強さが及んでいると評価する根拠が増えます。
逆に、日経平均が上昇してもTOPIX連動ETFや持ち株が伴わなければ、指数高を資産全体の改善と受け取る判断は控えたいところです。円相場の方向が変わった場合も、その後の株価を確かめてから見直します。大引けの数字が示すのは、日経平均の大幅高と、銘柄ごとの値動きの違いです。