商社株を見るなら、三菱商事の2.25%高と円高に注目。9月9日大引け

大引けの日本株の商社株、三菱商事、日経平均、ドル円を6コマで整理した画像
大引けの日本株は商社株と三菱商事を中心に、日経平均、ドル円、確認ポイントを6コマで整理します。

9月9日の大引けで、三菱商事は前日比111円高の5,038円、+2.25%となりました。日経平均とTOPIX連動ETFがともに下げるなかでの逆行高です。商社株の見通しを考えるうえでは、この強さが続くかが焦点。ただし、三菱商事の上昇だけで商社株全体の地合いが良くなったとは判断できません。

三菱商事は指数に逆行高

三菱商事と市場の代表的な指標では、値動きが分かれました。ドル円は大引け後の午後4時40分時点で153.18円と、前日基準より円高・ドル安に振れています。

指標・銘柄 終値・取得値 前日比 騰落率
三菱商事 5,038円 +111円 +2.25%
日経平均 65,142.78円 -126.55円 -0.19%
TOPIX連動ETF 421.4円 -0.8円 -0.19%
ドル円 153.18円 -0.67円 -0.44%

ドル円は株式の終値と取得時刻が異なります。また、TOPIX連動ETFは市場の流れを補う参考値であり、TOPIXそのものの指数値ではありません。

日経平均だけでは持ち株の動きが見えない

三菱商事を持つ人にとって、この日は日経平均の小幅安とは異なる一日でした。保有株数が変わらなければ、三菱商事の保有分の評価額は前日終値に比べて2.25%増えた計算です。買値からの損益とは分けて見る必要があります。

9月1日の終値との比較でも、三菱商事は1.65%高。一方、日経平均は1.62%安、TOPIX連動ETFは3.28%安でした。当日だけでなく、この期間でも値動きに差が出ています。日経平均だけを見て、持ち株も同じように下げていると受け取ると、実際の保有資産の動きを見誤ります。

ただ、ほかの商社の株価は今回の資料にありません。三菱商事で確認できた強さを、商社株全体へ広げて評価するのは早計です。

円高でも上昇、買い材料は未確認

確認できるのは、円高・ドル安と三菱商事の株高が同じ日に見られたことまでです。ドル円は前日基準の153.855円から153.184円へ低下しましたが、三菱商事の終値は前日を上回りました。少なくとも、この日の株価を円相場の方向だけで説明することはできません。

資源価格や海外景気の改善をどこまで織り込んだかは、判断材料が不足しています。今回の資料には、資源価格の実数、海外景気の新たな指標、三菱商事の具体的な開示本文が含まれていません。これらを上昇理由としたり、業績への期待が高まったと断定したりする根拠はありません。

出来高や当日の投資家別売買も確認できないため、需給による上昇とも言い切れません。持ち株の評価額が増えた事実と、業績を見直す材料が出たかどうかは、切り分けておきたいところです。

次は5,038円と指数との比較を見る

次の取引では、三菱商事が今回の上昇を保てるかを見ます。基準となる数字は9月9日終値の5,038円と、前日終値の4,927円です。いずれも比較の基準であり、下値支持線と確認された価格ではありません。

次に見る数字 今回の基準 見るポイント
三菱商事の終値 5,038円 今回の終値を上回るか、下回るか
上昇前の終値 4,927円 111円の上昇分がどれだけ残るか
日経平均とTOPIX連動ETFの騰落率 ともに-0.19% 次の取引でも三菱商事が両者を上回るか
ドル円 153.18円 円高が進むか、円安へ戻るか

円相場と株価の関係を見る際は、取得時刻をそろえることも必要です。今回のドル円は大引け後の値なので、そのまま株式取引時間中の反応とは扱えません。

上昇分を失えば強さの評価を見直す

三菱商事が次の取引でも日経平均とTOPIX連動ETFを上回る騰落率となれば、市場の指標に比べた強さが続いたと評価できます。反対に、終値で4,927円以下となれば、今回の111円高は失われます。その場合、9月9日の逆行高を持続的な強さと見る判断は見直す必要があるでしょう。

上昇理由の判断が変わるのは、具体的な材料を確認できたときです。資源価格や海外景気の数字、会社が示す業績への影響がそろって初めて、値動きとの関係を検討できます。現時点では、三菱商事の株価の強さは確認できる一方、その背景や商社株全体への広がりは未確認です。

参考データ